M&Aに関するコラム

イザ!「スモールM&A」②M&A市場が抱える課題

2018.11.12

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日本において、ほとんど全てのM&A案件は、M&A仲介会社を通して取引が行われています。M&A取引は対象規模の大小に関わらず、実施すべき手順が多数あり、売買価格が100億円を超えようと、1億円以下であろうと、M&A仲介会社内の作業コストや専門家への手数料は大きく変わりません。従って、1億円以下のM&Aであっても、仲介会社の経費が相応に発生します。それらに対応すべく、多くの仲介会社には手数料率(レーマン方式)と最低手数料が設定されており、最低手数料は概ね1,000万円程度となっています。
レーマン方式の手数料率は、取引金額が高くなるほど、手数料率が低くなるものです。

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レーマン方式を採用することで、企業M&A会社は成約価格5億円以下のM&Aにも関われるとともに、継続的な重要顧客となる買い手企業の負担感を軽減するのに便利な仕組みです。しかし、不動産売買の仲介手数料が3%であることを考慮すると、高いと感じる方も多いと思います。
 一方で、国内全企業の99%以上を占める中小企業がM&Aで企業を売却する際には、この報酬設定は非常に高いハードルになりかねません。仮に5,000万円で企業を売ろうにも、作業実費の他に1,000万円(取引額の20%)の手数料が発生し、売却側のメリットは乏しくなります。M&A市場は、こういった小スケールのM&A取組に対し、構造的な問題を抱えており、中小企業のM&Aを活性化させる為の仕組みづくりは、今後のM&A市場の課題となっています。また、M&Aにかかる報酬設定などは法整備が進んでおらず、M&A仲介会社の裁量によって決めることが出来てしまうことも、高額となってしまっている背景要因として挙げられます。今後は、レーマン方式と最低報酬額に依らない、よりフレキシブルな報酬設定が求められてくるでしょう。

→ イザ!「スモールM&A」③なぜ、今スモールM&Aなのか

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