M&Aに伴う資金調達
2018.05.14
M&Aを行う際は、少なくない金額がやり取りされます。数百万円~数十億円までその規模は様々ですが、中小企業におけるM&Aでは、金融機関からの資金調達を伴うケースが多くあります。今回は、金融機関目線でのM&A資金支援について検討したいと思います。
金融機関における資金支援は、大きく分けて2つの性格に分かれます。恒常的な企業運営に関わる「運転資金」と、機械設備や不動産購入に関わる「設備資金」の2つです。これらの融資は、それぞれ審査の方法が異なってきます。
M&A資金は、運転資金と設備資金のどちらに性格が似ているでしょうか。一見、設備導入ではないことから運転資金と判断されがちですが、性格的には設備資金に似た審査方法で融資を検討します。
まずは金額の妥当性について。この妥当性は、投資回収の観点から判断します。通常であれば何年で回収できるのか、ということですね。この点は、譲渡企業の収益性や、M&Aによるシナジーなどで判断をしていくことになります。
つぎに期間設定ですが、設備資金の場合は、導入設備の法定耐用年数を上限に融資期間が設定されるのが一般的です。M&A資金の場合は、M&Aに伴い発生する「のれん」の償却期間に合わせた期間設定を行うことが多くあります。会計基準では「20年以内で、効果が及ぶ期間にわたって償却する」ということになっていますが、実務上は5~7年程度で償却をすることが多いようです。その為、融資の借入期間についても5~7年での設定が多いようですね。
上記はあくまで一例ですので、ご参考にしていただければと思います。実際のM&Aに伴う資金調達については、個別にお問い合わせいただければ一緒に検討させていただきますので、ご連絡をお待ちしております。