廃業企業はもったいない(2)
2019.06.10
休廃業・解散企業の経営者の年齢を確認すると2016年では経営者年齢が60歳以上の企業の割合が82.4%と過去最高となった。10年前と比較すると、70~79歳、80歳以上の構成比が上昇し、80歳以上の経営者が14.0%と、こちらも過去最高となった。他方で、50~59歳の構成比は半減、49歳以下の構成比は微減と、ここ10年で、休廃業・解散した企業の経営者が高齢化していることが分かる。中小企業全体の経営者年齢についても、ここ10年間で59歳以下の割合が低下、60歳以上の割合が上昇し、ボリュームゾーンも50~59歳から60~69歳へと移動しており、中小企業全体で経営者の高齢化が進んでいる。経験値も評価される中小企業経営において高齢化の全てが非ではない。しかし、加速している事業変化を考慮すると、その会社に魅力があり、健全な判断ができる時期に事業承継の可能性を探ることも今後は肝要であろう。そこで活用されるのが、スモールM&Aであり、経営者は「売る・売らない」以前に自社の価値判定を行ってもらうことも取り得る選択肢として位置づけたい。