廃業企業はもったいない。
2019.06.04
東京商工リサーチの「休廃業・解散企業動向調査」によると、年間の休廃業・解散件数を倒産件数と比較して確認したところ、倒産件数は2008年の15,646件をピークに減少傾向にあり、直近は5年連続で1万件を下回っている。他方で、休廃業・解散件数は増加傾向にあり、2018年の休廃業・解散件数は46,724件と過去最高の件数となった。これを業種別に確認すると、2007年から2015年までの期間で、最も休廃業・解散件数が多かった業種は建設業である。しかし2016年以降、最も多かった業種はサービス業他で、2007年から継続的に上昇しており、10年前と比較して倍増している。また、製造業・卸売業は横ばい、小売業は増加傾向にある。
増加の大きかったサービス業他について、10年前と比較して特に増加している業種を細かく見ると、一般診療所(+335件)、食堂,レストラン(+271件)、土木建築サービス業(+210件)、経営コンサルタント業,純粋持株会社(+186件)、歯科診療所(+169件)等が挙げられる。規模や収益構造は次回に触れるとしても、従来では見られなかった業態でも事業消滅が発生している。それを防ぐアイテムの一つであるM&Aは建設・製造業に限った話ではなく、全ての業態に必要なツールになったようだ。