M&Aに関するコラム

実録シリーズ~M&Aの落とし穴~

2018.04.20

中小企業間で行われているM&Aについて、実際にあった事例を「実録シリーズ」として皆様にお伝えしていこうと考えております。今回は「M&Aの落とし穴」として、M&A実行後に実際にあった事例を取り上げたいと思います。我々が実際にお会いしたA社の社長様が経験されたことです。

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A社は、自社の事業縮小に伴い、事業部門の一部を同業他社であるB社に譲渡(従業員はA社→B社に転籍)しました。B社は業績を伸ばしており、地元では「あそこは成長企業だ」と呼び声高い企業でした。 A社とB社の代表者同士は元々知り合いだったこともあり、交渉は順調に進み、A社の社長は安心して事業譲渡に取り組むことが出来ました。

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問題が起きたのは、その後です。
事業譲渡後3年も経過しないうちに、B社が債務不履行を起こしてしまいました。金融機関から融資がストップした為に資金繰りが回らなくなり、支払い不能となってしまったのです。一報を聞きつけたA社の社長様は、B社に転籍していった元従業員のことを心配し、度々連絡を取り合っていたそうです。結果的には、B社は資金繰りを持ち直し、従業員の方に被害が及ぶようなことはなかったそうです。

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A社の社長様は「知り合いだとか、巷で評判だとか、そういう不確かなものを信用してはいけなかった、反省している。」とのお話がありました。

では、一部事業のM&Aはすべきではなかったのでしょうか?

その質問に対しA社の社長様は「それはない。あの時、M&Aをしないという選択肢は無かったし、B社でなければ別の企業に事業譲渡をしていただろう。大切なのは、実態を見極めることだよ。」とおっしゃっていました。

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M&Aは事業の売却や買収が成り立てばよいのではありません。そこから始まる新たな事業展開が成功しなければならないのです。その為にも、「どの企業に売るのか」ということが非常に重要になります。買い企業を見定める為には、仲介会社がきちんとした財務分析やビジネス分析を実施できなければなりません。

A社の社長様からこの話を伺った時、「先行きが不安になり、M&Aに踏み出せない社長様も多く居らっしゃるのではないだろうか」という思いが生まれ、その思いがConnect Edgeのビジネスモデルにも活かされております。

お知り合いの方に事業譲渡を検討されていらっしゃる方は、未来のために一度立ち止まって考えてみるのもよいかもしれません。

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